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「企業経営に必要な5つのリソース(ヒト、モノ、カネ、情報、時間)」をテーマにした全5回の連載記事 【第1回】5つのリソースの境界線を越える:ハイブリッド活用の時代

【第1回】
5つのリソースの境界線を越える:ハイブリッド活用の時代

はじめに
ビジネスを成功させるうえで欠かせない要素として、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」という5つのリソース(資源)がよく挙げられます。たとえば、優れた人材を確保する(ヒト)、魅力的な製品やサービスを提供する(モノ)、事業を継続できるだけの資金や投資を集める(カネ)、自社や市場に関するデータを正しく使いこなす(情報)、そしてタイムマネジメントで効率を高める(時間)などです。

しかし現代では、これら5つのリソースの境界線があいまいになり始めています。インターネットやAIなどの技術の進歩、働き方の多様化、新しいお金の流れ(クラウドファンディングやサブスク)などにより、5つのリソースが相互に連動して「ハイブリッド化」しているからです。今回は、この5つのリソースがどのように融合し、新たな経営手法をもたらしているのかを解説します。

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1. なぜ今、境界があいまいになっているのか

(1) テクノロジーの進化
AIやIoT(モノのインターネット)といったテクノロジーの普及で、モノと情報が密接に結びつきやすくなりました。たとえばセンサーを取り付けた製品が自動でデータを収集し、それを分析してユーザーへフィードバックするといったケースです。これにより、モノと情報の境界線がこれまでよりも薄れてきています。

(2) 働き方と人材の流動化
リモートワークや副業、フリーランスなどが普及したことで、「ヒト」のリソースのあり方が変化しています。フルタイムで特定企業に縛られない働き方が広がると、労働時間(時間)や給与・報酬(カネ)の概念も大きく変化します。企業と個人の関係性そのものが流動的になり、柔軟に人材を活用する仕組みが必要となりました。

(3) ビジネスモデルの多様化
クラウドファンディングやサブスクリプション型サービスなど、新しいお金の流れが生まれています。商品やサービスを「買い切り」ではなく月額課金で提供したり、オンラインコミュニティを活用して投資を募ったりと、カネの流れが多様化することで、事業スピードやスケールアップの可能性も格段に広がりました。

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2. 5つのリソースをハイブリッド活用する事例

(1) D2C(Direct to Consumer)の広がり
小売店舗を通さず、ネットを使って自社の製品を直接販売するD2Cモデルでは、モノと情報を密接に結びつけて高速で商品改良を行います。顧客からのフィードバックをSNSやオンラインで素早く集めて分析し、短期間で商品に反映できるのが強みです。

(2) 時間 × ヒトの組み合わせ
リモートワークやフレックスタイムを導入する企業が増えたことで、場所や時間帯に縛られずに仕事をする人材が活躍しやすくなりました。優秀な人材を地理的制約なしに採用でき、企業にとっても大きなメリットとなります。

(3) NFTやブロックチェーン技術の活用
カネと情報が融合する分野の一例として、NFT(Non-Fungible Token)のように、デジタルデータに資産価値を持たせる仕組みがあります。これによって、クリエイターが世界中のファンから直接資金を集められるなど、新しいビジネスモデルが続々と生まれています。

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3. メリットと課題

ハイブリッド化が進むことで、企業にとっては市場対応のスピードが上がったり、新しい収益モデルを構築できるなど多くのメリットがあります。しかし、誰がどのリソースをどこまで管理・責任を負うのか、従来の組織デザインでは対応しきれない部分も増えてきました。
また、リモートワークの拡大でコミュニケーションコストが増えたり、個人のワークライフバランス管理が難しくなる面も指摘されています。ハイブリッド活用の時代には、新たなマネジメント手法が求められると言えるでしょう。

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4. まず何から始めるべきか

変化のスピードが早い時代だからこそ、全社規模でいきなり大変革をするのではなく、小さな部門やプロジェクトから「複数のリソースを意図的に組み合わせて試す」ことをおすすめします。
たとえば、リモートワーク専用の新規プロジェクトチームを作ってみる、既存の商品にIoT機能を追加してユーザーのデータを収集してみる、ミニ投資ファンドを社内に設けて新しいビジネスアイデアを試すなど、小規模実験を行いながらノウハウを蓄積すると良いでしょう。

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まとめ


5つのリソース(ヒト、モノ、カネ、情報、時間)が境界を越えて組み合わさることで、従来のやり方では見えなかった新しいビジネスチャンスが生まれます。特にテクノロジーや働き方の変化によって、これまで静的だった領域が動的に変わってきているのです。
次回は、この5つのリソースの中でも特に抽象度が高く、すべてに関わる「時間」をデザインする視点を掘り下げてみます。効率化や生産性アップだけでなく、新しいアイデアを生む余白づくりにも注目していきましょう。

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