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【1ミリのブレでビジネスが変わる】

1ミリのブランドのブレを起こす行動でビジネスが変わる

「1ミリ」というのはモノの寸法を言っているわけではなく、ブランディングをおこなう上での「概念」を今回は語ってみます。
こういう会社にしたい、こういう商品・サービスにしたいというそれぞれのコンセプトがあったりしますよね。その目線は直線です。その線上からズレることをブレと言います。

いつもブレずに考え行動することで目標地点に到達するわけですが、例えば、今その線上から1ミリズレた行動をした場合、時間の経過と共に明日には10ミリ、来週には1000ミリと果てしなくブレは進みます。

ビジネスを成功に導く原動力のひとつは「ブランドの一貫性」です。
多くの人は「たった1ミリくらい」というズレを見過ごしがちですが、その小さな差異が積み重なることで、ブランド全体の印象や信頼感を大きく損ないます。
たとえるなら、わずかな歯車の狂いが最終的に大きな不調和を生み出すようなものです。

1ミリのブレが生む大きな差


• ロゴの色味の微妙な違い
ある大手ファッションブランドでは、店舗・オンライン・紙媒体ごとにわずかに色が違うロゴが使われていました。色自体は近似色だったので当初は誰も気に留めなかったのですが、“なんとなく統一感がない”という曖昧な不安が顧客の中に蓄積。やがて「ブランドイメージがはっきりしない」という評価に繋がり、最終的には売上にも影響が出始めたのです。
• SNSのトーンやメッセージのわずかな不一致
スターバックスなど、どこへ行っても“あのブランドらしさ”を感じさせる企業があります。これは、一貫性が徹底されているからこそ。しかし、もし公式SNSが店舗の雰囲気とはかけ離れた文言やトーンを使い始めたらどうでしょう? 顧客は瞬時に「なんだか違う」と感じ、離れていってしまうでしょう。別の企業事例では、SNS担当者が個人的なノリで投稿し続けた結果、ブランドが求める落ち着いたイメージと乖離してしまい、顧客の信用を失うケースが実際に起きています。

人によって異なる「1ミリ」の尺度を知る

“1ミリのブレ”と言っても、実はそれがどのくらいのインパクトになるかは人によって異なります。たとえば、物差しの幅が1メートルの人にとって1ミリは全体の0.1%に過ぎません。一方、1センチの物差しで測っている人にとっては、その1ミリは10%もの違いになります。
つまり、同じ“1ミリ”というズレでも、受け取り手によって「些細なこと」と感じる人もいれば、「重大な問題」と捉える人もいるわけです。これは、その人が持つ価値観や期待値、あるいはその時の状況によって変化します。
ブランディングにおいても、顧客がどのような物差しであなたの提供価値を計っているのかを理解することが重要です。一人ひとり違う“1ミリの意味合い”を見極めながら、一貫性を保つアプローチが求められます。

ブランドの一貫性をつくる鍵


1. 顧客に届けたい“約束”を明確にする
ブランドが「何を」「誰に」「どんな体験を届けるのか」を、自分たちが腹落ちするまで言語化すること。Appleの例でいえば、「シンプルで洗練された体験を届ける」という姿勢を製品・広告・店舗デザインのすべてに反映しています。あなたのビジネスでも、顧客にどんな未来を約束しているのかをクリアに示しましょう。
2. チャネルごとの接点をマッピングし、一つひとつ点検する
店舗、オンラインショップ、SNS、スタッフの接客、パッケージや名刺のデザインなど、顧客と接するあらゆるポイントを並べて確認します。「使われているロゴ・色・フォント・メッセージは一貫しているか」「お客様が受け取る印象にズレはないか」。1ミリのブレも見逃さない姿勢が、積み重なれば大きな信頼感を生むのです。
3. ブランド体験を共有し合う文化をつくる
社内外を問わず、「私たちはこういうブランドを作りたい」「こういう世界観を届けたい」という想いを共有する文化を育むことも重要です。社員一人ひとり、外部パートナーや代理店など、ブランド構築に関わるすべての人が同じ方向を向くことで、自然と一貫性が保たれます。

1ミリを見直すだけでビジネスは加速する

大きな施策や巨額の広告予算を投入する前に、まずは“1ミリのブレ”をなくすこと。ここに注力することで、不思議なくらいビジネスは一気に動き始めます。
• 顧客との接触ポイントが明確になり、認知と購買意欲が高まる
「なんとなく雰囲気がいい」から「このブランドは他と違う」という明確な差別化へ。
• 社内の意識が統一され、行動に迷いがなくなる
組織のメンバーが同じ軸を持つことで、生産性とモチベーションが向上。
• 競合他社にも負けない、独自の世界観が生まれる
模倣されにくい存在感を確立し、長期的に愛されるブランドへと進化。

「1ミリくらい大丈夫」という妥協ではなく、「この1ミリを見逃さない」こだわりこそが、ブランドを強くする最大の武器です。さらにその“1ミリ”は、見る人の物差し次第では0.1%にも10%にもなり得るものだという視点も大切。顧客が持つ多様な価値観や期待値を見極めながらブランディングを徹底すれば、そのわずかな修正がビジネス全体に大きな変化をもたらすはずです。

――“たった1ミリ”の変化を見逃すか、徹底的にこだわるか。
その選択が、あなたのビジネスの未来を大きく左右します。

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