
ビジネスモデルキャンバスとリーンキャンバス
そもそもキャンバスとは?
- キャンバス=「事業の設計図を1枚にまとめる道具」
- 長い事業計画書の代わりに、重要なポイントを見える化するもの。
- 頭の中のアイデアを整理して、仲間や投資家と共有するための共通言語になる。
2つのキャンバスの違い
ビジネスモデルキャンバス(BMC)
- 完成された事業の全体像を描く地図。
- どんなお客さんに、どんな価値を届け、どうやってお金を稼ぐのかを整理する。
- 例:スターバックスが「コーヒー」ではなく「サードプレイス(第三の居場所)」を売っていることがわかる。
リーンキャンバス(LC)
- スタートアップや新しい事業の試作品用チェックリスト。
- 「お客さんの困りごとは本当にあるのか?」「解決策は本当に役立つのか?」を素早く検証する。
- 例:chocoZAPは「時間がない人」向けに「1日5分のコンビニジム」というシンプルな価値を打ち出した。
どちらを使うべき?
事業の段階 | 目的 | 使うべきキャンバス |
---|---|---|
アイデア段階 | お客さんの課題が本当にあるか確認する | リーンキャンバス |
試作品段階 | 最小限の商品で顧客の反応を試す | リーンキャンバス |
成長段階 | ビジネスの仕組みを整えて拡大する | ビジネスモデルキャンバス |
成熟段階 | 既存事業を改善したり新領域を探す | ビジネスモデルキャンバス |
イメージすると
ビジネスモデルキャンバス=地図(全体を見渡す道具)
リーンキャンバス=虫眼鏡(細かく課題を見る道具)
共通のポイント
- 両方とも「紙に書き出す」ことが大事。
- 完璧に書くよりも、仮でもいいからまず形にして、仲間と話しながらアップデートする。
- 空欄があってもOK。それが次に考えるべき問いになる。
使用方法アドバイス
- 最初はリーンキャンバスで小さく始めよう。
- 自分のアイデアを9つのマスに書き出すだけ。
- お客さんに話を聞いて検証する。
- 「本当に困っているのか?」「代わりに何を使っているか?」
- アイデアが当たりそうなら、ビジネスモデルキャンバスに進んで事業の全体像を描く。
つまり
- リーンキャンバス=チャレンジの始まりを確かめる道具
- ビジネスモデルキャンバス=長く続ける仕組みを設計する道具
この2つを順番に使い分ければ、初心者でも安心して事業を考えられます 。
リーンキャンバス(新規事業向け)例
プロダクト領域
1. 課題 (Problem)
- お客様はどんなことで悩んでいますか?(上位3つ)
- 今、その悩みをどうやって解決していますか?(既存の代替サービス)
4. ソリューション (Solution)
- その課題を解決する具体的な方法は?
- あなたのアイデアの主な機能や特徴を3つ挙げるとしたら?
8. 主要指標 (Key Metrics)
- 事業の成功を測るための最も重要な数字は?
- (例:サイト訪問者数、会員登録数、売上など)
3. 独自の価値提案 (UVP)
- なぜ他ではなく、あなたから買うべき?
- 「〇〇な人のための、△△なサービス」のように一言で表現できますか?
マーケット領域
2. 顧客セグメント
- 一番のターゲットはどんな人ですか?
- 特に、新しいものを最初に試してくれそうな人は誰でしょう?(アーリーアダプター)
9. 圧倒的な優位性
- ライバルが簡単には真似できない強みは?
- 専門家の支持や特別な人脈、データなどがありますか?
5. チャネル (Channels)
- どうやってお客様に商品やサービスの存在を知ってもらいますか?
- (例:SNS、広告、口コミ、店舗など)
7. コスト構造
- 事業を運営するためにかかる費用は何ですか?
- (例:人件費、広告費、家賃、開発費など)
6. 収益の流れ
- どのようにお金を生み出しますか?
- (例:商品販売、月額料金、広告収入、手数料など)
ビジネスモデルキャンバス(既存事業の分析・改善向け)例
自社領域 (ビジネス)
8. 主要パートナー
- 事業を支えてくれる重要な協力者は誰ですか?
- (例:仕入れ先、提携企業、専門家など)
7. 主要活動
- 価値を提供するために、必ず行うべき活動は?
- (例:製品開発、マーケティング、顧客サポート)
6. 主要リソース
- 事業に不可欠な資産は何ですか?
- (例:人材、設備、ブランド、特許、資金など)
2. 価値提案
- お客様にどんな価値を提供しますか?
- お客様のどんな問題を解決しますか?
顧客領域 (マーケット)
4. 顧客との関係
- お客様とどんな関係を築きますか?
- (例:店舗での接客、オンラインサポート、コミュニティ)
3. チャネル
- どうやってお客様に価値を届けますか?
- (例:店舗、ウェブサイト、営業担当、アプリなど)
1. 顧客セグメント
- 価値を提供する相手は誰ですか?
- どんなグループに分けられますか?(例:学生、主婦、企業)
9. コスト構造
- 事業運営で発生する主な費用は何ですか?
- (固定費と変動費を考えましょう)
5. 収益の流れ
- お客様は何に対して、どのようにお金を支払いますか?
- (例:商品代金、利用料、サブスクリプション料金)