コンセプトの作り方

コンセプトメイキング

中小企業のためのコンセプト作り実践ガイド
中小企業のための
コンセプト作り実践ガイド
Strategic Business Development

中小企業経営者が陥りがちな誤解

よくある間違い:「大企業のような画期的な新商品を開発しなければ売れない」

成功の現実:「お客さんが気づいていない価値を見つけて、わかりやすく伝える」ことが重要

中小企業の強みは、お客さんとの距離が近いこと。この距離の近さを活かして、お客さんの「あ、そうそう、それが欲しかった!」を引き出すコンセプト作りが成功の鍵です。

中小企業コンセプト作りの基本原則
お客さんに「そんな解決方法があったのか!」
と言わせることができれば勝ち
Step 01 今の商品・サービスの価値を整理
Step 02 具体的な提供方法を明確化
Step 03 お金を払える顧客を特定
Step 04 驚きのある伝え方を設計
01
商品・サービスの真の価値を洗い出す
お客さんが得られる具体的なメリットを、数字で表現できるまで詳しく分析します。
例:清掃業者の場合
• 時間短縮:週5時間の掃除が月1回の点検だけに
• コスト削減:社員の掃除時間を営業活動に転換
• 品質向上:プロの清掃で来客の印象が30%向上
チェックリスト:
  • お客さんの時間がどれくらい節約できるか?
  • お客さんのコストがどれくらい下がるか?
  • お客さんの労力がどれくらい楽になるか?
  • お客さんの売上・利益がどれくらい上がるか?
02
提供方法を具体的にする
その価値をどうやって実現するのか、お客さんに説明できるレベルまで具体化します。
例:個人塾の場合
• 毎週の進捗確認と保護者報告
• 生徒一人ひとりの弱点に特化したカリキュラム
• 定期テスト2週間前からの集中特訓
コツ:家族や従業員に説明してみて「なるほど、それなら確かに効果がありそう」と言われるまで詳しくしましょう。
03
支払能力のある顧客を見極める
その価値にお金を払える、かつ払いたいと思う顧客層を特定します。
例:税理士事務所の場合
• 売上1000万円以上の個人事業主
• 従業員10名以上の中小企業
• 年商3億円以下で経理担当者が1名の会社
顧客特定の質問:
  • その問題で本当に困っているのは誰?
  • 解決にお金を払う決定権を持っているのは誰?
  • どのくらいの予算なら出せそう?
04
より収益性の高い顧客層を探す
同じサービスでも、もっと高い価格で買ってくれる顧客がいないか検討します。
例:パソコン教室の場合
個人向け(月5,000円)→ 企業研修(社員1人月15,000円)
高齢者向け(月3,000円)→ シニア起業支援(月20,000円)
ポイント:同じ時間と労力で、より多くの収益を得られる顧客層がないか常に考えましょう。
05
競合他社と顧客の常識を調べる
同業他社がどんなサービスを、いくらで提供しているかを調査します。
調査すべき項目:
• 競合の価格設定と提供内容
• お客さんが「普通はこうするもの」と思っていること
• 業界の常識や慣習
調査方法:
  • 競合のホームページやチラシをチェック
  • 既存客に「普通はどうしてる?」と聞く
  • 業界誌や組合の情報を確認
06
常識を覆す伝え方を考える
お客さんの「当たり前」を覆し、新しい可能性に気づかせる表現を作ります。
例:美容院の場合
業界常識:「カットは1時間、パーマは2時間かかるもの」
差別化メッセージ:「忙しいあなたのために、30分で完璧なスタイリング。プロの技術で時短を実現」
聞いた人が「えっ、本当?」「どうやって?」と興味を持つかどうかがポイントです。
07
信頼できる印象を作る
詳しい説明の前に「この会社なら安心」と感じてもらう要素を入れます。
信頼要素の例:
• 具体的な数字:「95%のお客様が満足」
• 実績:「創業15年、500社の実績」
• 保証:「効果がなければ全額返金」
印象アップの要素:
  • お客様の声や感想
  • 業界での表彰歴や認定
  • 代表者の顔写真と経歴
  • 具体的な数字での効果実証
中小企業の成功事例
地方の小さな印刷会社

従来の常識:「印刷はロット数が多いほど安い」

新しい提案:「1枚から即日印刷、午前注文で午後お渡し」

ターゲット変更:大口印刷→緊急性の高い小口印刷

結果:売上単価3倍増、新規顧客月20社獲得
個人経営の弁当店

従来の常識:「弁当は安さが勝負」

新しい提案:「糖質制限弁当で健康管理もお任せ」

ターゲット変更:価格重視→健康重視の会社員

結果:客単価200円アップ、リピート率80%達成
小規模リフォーム会社

従来の常識:「リフォームは大工事で高額」

新しい提案:「1日で完成、プチリフォーム」

ターゲット変更:大規模工事→手軽な模様替え需要

結果:月間受注件数3倍増、顧客満足度95%
個人のWebデザイナー

従来の常識:「ホームページは作って終わり」

新しい提案:「作った後も売上アップまでサポート」

ターゲット変更:制作のみ→経営改善パートナー

結果:月額サポート契約で安定収入確保
今すぐ始められる行動計画
第1週:現状分析

既存の商品・サービスの価値を整理し、競合調査を実施。お客様10名に「なぜ当社を選んだか」をヒアリング。

予算:0円(時間のみ)
第2週:コンセプト設計

調査結果をもとに新しいコンセプトを3つ作成。家族や信頼できる顧客に「どれが一番興味深いか」を確認。

予算:0円(時間のみ)
第3週:小規模テスト

最も反応の良かったコンセプトで、チラシやSNS投稿を作成。少数の見込み客にテスト訴求。

予算:1万円程度(印刷代など)
第4週以降:改善と拡大

反応を分析して改善。効果的なコンセプトが確定したら、ホームページや営業ツールに本格採用。

効果に応じて投資拡大を検討

重要なのは完璧を目指さず、小さく始めて改善を重ねること。
お客さんの反応を見ながら調整していけば、必ず成果につながります。

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