
SNSだけじゃ売れない理由と真の差別化戦略
SNSに頑張りすぎていませんか?本当に大切なのは「商品」の「中身」です
毎日投稿してるのに、なぜか売れない
「毎日インスタに投稿してるのに、全然売上につながらない…」
こんな悩みを抱えている経営者は、実はとても多いんです。フォロワーは少しずつ増えている。「いいね」ももらえる。でも、なぜか商品が売れない。
この違和感の正体は、実はシンプルです。企業は「数字」に騙されているのかもしれません。
フォロワー数、いいね数、見られた回数。こういった数字はすぐに見えるので、「うまくいってる!」と思ってしまいます。でも、ちょっと待ってください。その数字、本当に売上と関係ありますか?
ここで大事な考え方があります。SNSの数字が増えることと、商品が売れることは、実は別のことなんです。SNSはあくまで「結果」であって、「原因」じゃない。本当の原因は、もっと別のところにあります。
SNSだけに頼る3つの危険
SNSが流行り始めたとき、多くの企業が「これさえやれば売れる!」と思いました。確かに便利です。投稿すればすぐに反応が返ってきます。
でも、ここに3つの見落としがちな問題があります。
1つ目の問題:SNSは自社のものじゃない
考えてみてください。企業が一生懸命育てたフォロワー、それ、本当に自社のものですか?
実は違うんです。SNSは他の会社が運営しています。だから、その会社の都合でルールが変わります。「今までは投稿がたくさんの人に届いていたのに、急に届かなくなった」。そんな経験、ありませんか?
もっと怖いのは、アカウントが突然使えなくなる可能性です。何かの間違いで通報されたり、規約違反と判断されたら、今までの努力が一瞬で消えてしまいます。
2つ目の問題:投稿はすぐに流れていく
SNSの投稿って、すぐに下の方に流れていきますよね。昨日の投稿、もう見ませんよね。
どんなに良い内容を書いても、時間が経てば見られなくなります。だから、「積み重ねた情報」として残りにくいんです。
それに、グーグルで検索したとき、SNSの投稿ってあまり出てきません。新しいお客さんが探してくれても、見つけてもらえないということです。
3つ目の問題:信頼してもらうのが難しい
何かを買おうと思ったとき、お客さんはその会社のホームページを見ますよね。
「この会社、ちゃんとしてるかな?」「商品の詳しい説明はどこ?」「値段は?」
こういう情報、SNSだけだと全部は書けません。お客さんは不安になります。
さらに、忘れてはいけないのが、スタッフの時間と体力です。SNSの投稿を考えて、写真を撮って、コメントに返信して…。これ、すごく時間がかかりませんか?
本来やるべき仕事がおろそかになったら、本末転倒ですよね。
大事なのは「何を伝えるか」、その前に「何を作るか」
では、どうすればいいのでしょうか。
答えはシンプルです。自社の商品やサービスそのものを良くすること。これが一番大事です。
多くの企業は「どうやって伝えようか」ばかり考えます。でも本当は「何を伝えるか」の方が大切です。いや、もっと言えば、「何を作るか」が一番大切なんです。
マーケティングのプロたちは、昔からこう言っています。
「マーケティングがうまくいかないのは、商品が良くないからだ」
どんなに上手に宣伝しても、商品自体が良くなければ、続けて売れません。
これを分かりやすく例えると、こんな感じです。
自社の商品の良さを「1」だとします。SNSは「×10」や「×100」の拡散力があります。
- 良い商品(1)×SNS(×10)= 10の成果
- 普通じゃない商品(0)×SNS(×10)= 0の成果
どれだけSNSを頑張っても、元の商品が「0」なら、結果も「0」なんです。
もっと怖い話があります。広告の世界では、こんな言葉があります。
「上手なマーケティングは、ダメな商品をもっと早く失敗させるだけ」
これはどういう意味でしょうか。SNSで話題になって、たくさんのお客さんが買ってくれました。でも、商品が期待外れだったら? お客さんはがっかりして、悪い口コミが一気に広がります。かえって逆効果です。
逆に、商品が本当に良ければどうでしょう。宣伝が下手でも、使った人が「これ、いいよ!」と友達に教えてくれます。この口コミの方が、SNSの投稿より信頼されるんです。
SNSの本当の役割:それは「ファンづくり」
専門家の調査で分かっていることがあります。SNSの本当の役割は、すぐに売ることじゃなくて、ファンを作ること。
SNSは、企業のブランドの良さを伝えて、好きになってくれる人を増やすための道具なんです。「いいね」の数で一喜一憂しても、それが直接売上になるわけじゃありません。
大切なのは、焦らず長い目で見ること。会社の良さや、大事にしていることを伝え続けて、信頼してくれる人を増やす。これが本当のSNSの使い方です。
SNSとの上手な付き合い方
「じゃあ、SNSはやらない方がいいの?」
いいえ、そうじゃありません。SNSは便利な道具です。大事なのは、位置づけを間違えないこと。
上手な企業は、こんな風に使い分けています。
- SNS:新しいお客さんに知ってもらう。ファンと交流する。会社の雰囲気を伝える。
- ホームページ:詳しい商品情報を載せる。グーグル検索で見つけてもらう。信頼してもらう。
この2つを組み合わせるんです。SNSで興味を持ってもらって、「もっと知りたい」と思った人をホームページに案内する。こうすれば、両方の良いところが使えます。
SNSは「今日のおすすめ!」を伝える場所。ホームページは「うちの会社はこういう会社です」をしっかり説明する場所。役割が違うんです。
それと、数字の見方も変えましょう。フォロワー数を追いかけるんじゃなくて、こんなことを見てください。
- 投稿に反応してくれる人は増えてる?
- お客さんが自分から「こんな良いことがあった」と投稿してくれる?
- 企業の考え方に共感してくれる人は増えてる?
こういう「質」を大事にすると、SNSがもっと役に立ちます。
今日から始める5つのステップ
では、具体的に何をすればいいか、順番にお伝えします。
ステップ1:自社の商品を見直す
SNSを頑張る前に、まず自社の商品を見直しましょう。
- お客さんは何を気に入ってくれてる?
- 他社にはない、自社だけの良さは何?
- 改善した方がいいところはない?
中身が良くなければ、どんなにSNSを頑張っても意味がありません。まずはここから。
ステップ2:派手さより、お客さんの満足
「インスタ映え」する写真や、話題になる投稿を考える前に、こっちを頑張りましょう。
- 接客をもっと丁寧にできないか?
- 買った後のサポートを充実させられないか?
- お客さんが「また買いたい」と思う工夫はないか?
地味ですが、こういうことの方が大切です。満足したお客さんは、自然に友達に教えてくれます。これが一番強い宣伝です。
ステップ3:自社のホームページを育てる
SNSと同時に、自社のホームページやブログも育てましょう。
なぜなら、これは完全に自社のものだから。SNSの会社の都合で消えることはありません。
SNSで興味を持ってくれた人を、「詳しくはホームページへ」と案内します。そこで連絡先を教えてもらえば、SNSが使えなくなってもつながれます。
ステップ4:焦らず、じっくり育てる
「バズりたい!一気に有名になりたい!」
この気持ちは分かります。でも、ちょっと待ってください。
小さな会社で、いきなり注文が殺到したらどうなりますか? 対応できなくて、お客さんを怒らせてしまうかもしれません。
実際にこんなケースがあります。趣味で商品を作っていた人が、SNSで急に話題になりました。注文が山のように来て、作るのが間に合わず、配送も遅れて、クレームだらけ。結局、疲れ果ててしまいました。
一時的なブームより、少しずつファンを増やす方が、長く続きます。
ステップ5:いつも自社に問いかける
SNSで何かしようと思ったとき、こう自問してください。
- 「これって、うちの会社らしさが伝わる?」
- 「一時的な話題作りになってない?」
- 「本当にお客さんのためになる?」
軸がブレなければ、SNSは企業の強い味方になります。
これからの時代に選ばれる企業になるために
SNSは便利な道具です。でも、道具はあくまで道具。
本当に大切なのは、自社の商品やサービスの中身です。お客さんとの信頼関係です。
その土台がしっかりしていれば、SNSはその良さを広く伝える道具として、とても役に立ちます。
でも、土台がグラグラのままSNSを頑張っても、一時的に注目されるだけで終わってしまいます。
結局、ビジネスに近道はありません。コツコツと本業を良くして、その良さをSNSで伝える。これが、中小企業にとって一番確実な方法です。
「SNS」と「本業」は、どちらか一方じゃなくて、両方大事。バランスよく育てていけば、情報があふれる今の時代でも、お客さんに選ばれる企業になれます。
自社の一番の強みは何でしょうか? それを良くするために、今日から何を始めますか?
この問いに向き合うことが、SNSに振り回されない、本当に強い会社を作る第一歩です。