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【完全版】第8回:デザイン思考を日常や個人の業務に活かす方法

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1. はじめに

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こんにちは!デザイン思考シリーズも第8回目となりました。前回までは、ビジネスやプロダクト開発におけるデザイン思考の活用方法を中心にお話ししてきました。しかし、デザイン思考の強みは「日常や個人の業務」にも幅広く応用できる点にあります。

私自身、ファッション、飲食、建築、エステサロンなどの事業を運営するかたわら、都内IT企業の顧問や海外投資家コンサルなどを並行して行っています。その中で気づいたのは、デザイン思考のアプローチが“仕事の場面だけ”でなく、家庭やプライベート、個人的なスキルアップにも大きなヒントを与えてくれるということ。本稿では、具体的な活用例や簡単に始められる方法について、深掘りしていきます。

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2. デザイン思考を日常に取り入れるメリット

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2-1. 問題解決能力の向上


デザイン思考の「共感→定義→アイデア→試作→テスト」という流れは、ビジネス以外のさまざまな課題に対しても有効です。たとえば、家族での生活リズムが合わないという問題を「誰が、どんな状況で困っているのか?」と丁寧に言語化し、そこから新しい習慣やシステムを試作し、実際にテストして改善していくという手順は、日常的な問題解決のアプローチとしても使えます。

2-2. 創造性の発揮


家事や趣味、ちょっとした段取りの工夫など、日常の小さな場面でも「より良い方法はないか?」と問いかけ、自由にアイデアを出し合うことで思わぬ発見が生まれます。最初から完璧を求めず「まずはやってみる」姿勢が身につくと、自分の思考や行動の幅が大きく広がります。

2-3. コミュニケーションの改善


デザイン思考では常に「共感」や「対話」を重視します。家庭内や職場で互いの声を丁寧に聞き、相手がどんな課題やニーズを抱えているかを理解しようとする過程で、関係性が深まりやすくなります。これは人間関係全般を良くする大きな要素です。

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3. 日常生活での具体的な活用例

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3-1. 家事や時間管理

1. 共感: 家族全員がどんな不満や要望を持っているかをインタビューや話し合いで明確にする。
2. 定義: 「朝の準備時間が長く、家を出るまでバタバタする」という問題を設定。
3. アイデア創出: 家事分担表の導入、朝の準備ルーティン、必要物品の配置変更などを挙げる。
4. 試作: 実際にルーティン表やタイマーアプリを用意し、1週間試してみる。
5. テスト: メンバーに振り返りの時間を設け、「どこが改善すべきか?」を再確認する。

3-2. 職場での会議効率化

1. 共感: 同僚に「会議が長い」「結論が出にくい」などの不満をヒアリング。
2. 定義: 「会議でゴール設定が曖昧で、時間ばかりかかる」という問題を設定。
3. アイデア創出: 事前アジェンダ共有、タイムキーパー、オンラインツール活用など多様な案を出す。
4. 試作: 簡易的なアジェンダテンプレートを作り、次回会議で導入。
5. テスト: 会議後にアンケートを取り、改善効果を評価。必要があれば再度修正を行う。

3-3. 人間関係の改善

1. 共感: 家族や友人との会話で、コミュニケーション不足やすれ違いを感じ取る。
2. 定義: 「忙しさのあまり、お互いの近況を共有する機会がない」という課題を明確化。
3. アイデア創出: 定期的な食事会、SNSグループでの週1振り返り、短い通話習慣などを提案。
4. 試作: 実際に食事会の予約やオンラインチャットグループを作ってみる。
5. テスト: 一定期間試してみて、参加率や満足度を確認し、改良点を見つける。

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4. 個人業務での応用例

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このラインより下のエリアがnoteでは有料で表示されます。

4-1. 資料作成

1. 共感: 上司やクライアントがどんな資料を求めているのかヒアリングする。
2. 定義: 「複雑すぎて理解しづらい」「ページ数が多くて要点がわからない」など課題を絞り込む。
3. アイデア創出: 見出し強調、図解の活用、ページ数削減、色使いの改善など。
4. 試作: 簡易版資料(スライド数やテキスト量を減らしたバージョン)を作って上司に確認してもらう。
5. テスト: フィードバックをもとに修正し、完成版を仕上げる。

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5. デザイン思考実践へのヒント

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5-1. 小さく始めてみる


大きなプロジェクトではなく、まずは身近な困りごとから着手してみるのが気軽に始めるコツ。家の片付けやデスク周りの整理など、小さなテーマでもデザイン思考の「共感→定義→アイデア→試作→テスト」という流れは十分に試せます。

5-2. チームで取り組む


職場での課題解決や効率化の場合、複数人でデザイン思考の流れを共有すると、多様な意見が出てクリエイティブなソリューションが見つかりやすくなります。小さな勉強会やワークショップを社内で開催するのもおすすめです。

5-3. ツールやフレームワークを活用


エンパシーマップ、ブレインストーミングのルール、マインドマップなど、手軽に使えるフレームワークが多く存在します。こうしたツールを使うと、日常や個人の業務でも簡単にデザイン思考を実践しやすくなります。

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6. ビジネスとプライベート両方で役立つ理由

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デザイン思考は「誰の、どんな課題を、どう解決するか?」という、極めて本質的な問いに対する方法論です。そのため、職場の製品開発やサービス設計だけでなく、家庭での暮らしの改善や個人のスキルアップにも横断的に応用できます。共感力と創造的思考を養うことで、あらゆる場面で新たなアイデアと解決策を生み出す基盤となるのです。

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7. まとめと次回予告

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第8回では「デザイン思考を日常や個人の業務に活かす方法」をテーマにお届けしました。デザイン思考は「企業レベルのプロダクト開発」だけでなく、私たちの身近な問題解決にも非常に有用です。要点を振り返ると、以下のような活用が考えられます。

• 家事や時間管理、会議の効率化、人間関係の改善など、身近なシーンへの応用
• 個人業務での資料作成や業務フローの見直し
• 小さな課題から着手し、まずは試作とテストを繰り返す
• チームで共有すると多様なアイデアが集まり、改善効果が高まる

デザイン思考の「共感→定義→アイデア→試作→テスト」という流れを、日常生活や個人の業務にもあてはめることで、創造性と問題解決力が同時に鍛えられます。私自身、多様な業界をマルチに動き回っていますが、その根底には常にデザイン思考の考え方があり、ビジネスとプライベート双方で活きていると実感しています。

次回(第9回)は「デザイン思考導入時によくある課題とその克服方法」に焦点を当てます。実際に取り組んでみると生じる困難や組織文化との衝突などをどう乗り越えるかを解説しますので、お楽しみに。

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(約10,000文字)

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。日常や個人レベルの課題解決にも力を発揮するデザイン思考。ぜひ身近なテーマで試してみて、新しいアイデアや解決策を発見してみてください。次回は、デザイン思考を導入する際に直面しがちな壁とその乗り越え方についてご紹介します。

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