サービスが多いほど、集客の入口は分けた方がいい
できることが増えるほど、チラシやWebサイトには多くのサービスを載せたくなります。
幅広く対応できることは、本来なら事業の強みです。ただし、最初の案内でその強みをすべて見せると、お客さまは「何を頼めるか」より先に「自分はどれを選べばよいか」を考えることになります。
見直したいのは、サービスの数ではありません。お客さまが今決められることに合わせて、入口を分けることです。
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何でもできることと、何から頼めるかは別の情報
お客さまが最初に知りたいのは、会社の全能力ではありません。
「今の自分は、ここから相談してよいのか」という判断材料です。
たとえば、点検、清掃、片付け、管理、手続きに関する相談まで一つの会社が対応できるとします。提供する側から見れば、すべてはつながったサービスです。しかし、お客さま側の状況は同じではありません。
- まず現状だけ確かめたい
- 小さな作業を一度頼みたい
- 今後の管理方法を決めたい
- 家族や関係者を含めて相談したい
この四つでは、決断に必要な時間も、心理的な重さも違います。すべてを一枚に並べると、軽い用事の人には大げさに見え、深い悩みを抱える人には専門性が見えにくくなります。
入口は「値段」ではなく「決めやすさ」で分ける
入口商品という言葉から、安い商品や無料相談を思い浮かべることがあります。しかし、本質は値下げではありません。
お客さまが今決められる単位まで、最初の行動を小さくすることです。
入口は、次の三段階で考えると整理しやすくなります。
1. 状況を知る入口
点検、診断、現地確認、簡易相談などです。まだ依頼内容を決められない人が、現在地を知るために使います。
2. 小さく試す入口
初回作業、限定範囲の代行、短時間の相談などです。品質や相性を確かめてから次を考えたい人に向きます。
3. 方針を決める相談
継続管理、事業設計、相続や承継、システム刷新など、複数の判断が関わる相談です。ここでは価格の分かりやすさだけでなく、整理の進め方と専門性が必要になります。
三段階を一つの広告に詰め込む必要はありません。それぞれに「誰の、どの状況に、何を最初に提供するか」を一つずつ決めます。
1ページ、1チラシ、1つの約束にする
入口を分けるときは、媒体ごとに一つの約束を置きます。
たとえば、地域サービスなら「離れて暮らす家族に代わって、まず現地の状態を確認する」。Web制作なら「今のサイトで問い合わせが止まっている場所を確認する」。研修なら「一つの部署で短時間の試行を行う」といった形です。
一つの入口に必要な情報は、次の五つです。
1. 誰に向けたものか
2. 今どのような状況で使うものか
3. 最初に何をするのか
4. 料金または相談後の進み方
5. その後に選べる道
全サービス一覧は、会社案内や下層ページに置けばよいのです。最初の接点では、一つの約束だけを明確にします。
媒体は、入口を届ける相手で選ぶ
地域新聞、ラジオ、検索広告、SNS、行政への提案。どの媒体が正解かを先に決める必要はありません。
大切なのは、その媒体で誰の、どの段階の入口を届けるかです。
すでに困りごとを自覚し、具体的なサービス名で探す人には検索が向いています。まだ問題を言葉にしていない人には、日常の中で接触できる地域媒体が役立つことがあります。家族や関係者を含む深い相談では、セミナーや紹介のように信頼を積み重ねられる接点が必要です。
媒体の比較より先に入口を決めると、広告の内容も成果の見方も明確になります。
行政向けの提案書は、消費者向けチラシと役割が違う
行政に持ち込む資料では、個別サービスの便利さだけを並べても、連携する理由が伝わりにくいことがあります。
行政側が判断しやすいように、次の順番で整理します。
- 地域でどのような課題が起きているか
- どの住民を対象にするか
- どの段階で案内してもらうか
- 自社が担う範囲と、行政に求める範囲
- 小さく試す場合の期間と確認項目
個人向けの入口では「最初に何を頼めるか」を伝え、行政向けの入口では「住民にとって何が改善されるか」を伝えます。同じ事業でも、相手が決めるために必要な情報は違います。
強みは減らさず、見せる順番を変える
幅広い対応力は、契約後や相談が深まったときに大きな価値になります。
だから、サービスを捨てる必要はありません。最初から全部を理解してもらおうとせず、一つの困りごとから入れる道を複数つくります。
集客導線を見直すときは、次の三点を確認してみてください。
- この案内は、誰のどの状況に向けたものか
- 読んだ人が、最初の行動を一つに決められるか
- その後の相談先やサービスが自然につながっているか
事業の幅は裏側に残し、入口では迷わない約束を一つ置く。それが、幅広いサービスを「何でも屋」ではなく、頼りやすい専門性として伝える方法です。
ご相談について
対象になる方
- サービスが増え、チラシやWebサイトの説明が複雑になっている方
- 問い合わせはあるものの、本来受けたい相談につながりにくい方
- 地域向け、法人向け、行政向けの入口を整理したい方
一緒に整理すること
提供しているサービスを減らさずに、顧客の状況ごとの入口、媒体の役割、その後の相談導線を整理します。
問い合わせ後に進むこと
現在の案内資料やWebサイトを確認し、最初に分けるべき入口と、優先して試す一つの導線を決めます。